吉備の中山と温羅③ 鳴釜神事 2019年リアルRPGを振り返る

さてさて、文書を回収した私はそれはもう大急ぎで下山しました。
虫は多いし、誰もいないし、こんなところで蜂にでも刺されたらたいへん!と、さっさと下山しました。
帰りに、「終わりました。ありがとうございます。」とだけ神社でご報告しました。

時計をみるとなんと、1時間に1本しかないJR吉備津線、通称桃太郎線に間に合いそうです。
境内の茶屋でかき氷~♡、と思っていましたが、目をつぶって駅までダッシュして電車に乗こみました。
つまり1時間でお参りと山登りをして、食いしん坊なのにかき氷を諦めた私、えらい。
いいかげん車運転したら?、とも思うのですが。

電車は吉備津駅に到着しました。いよいよ温羅に会いに行きます。

吉備津神社。備中国一宮です。
本殿と拝殿が素晴らしくかっこいい!と思ったら国宝だそうです。

ご祈祷に加え、鳴釜神事をお願いしました。

鳴釜神事の起源ですがここにも伝説があります。

鬼の温羅はこの地域で悪事をはたらいていたため、彦五十狭芹彦命(ひこいさせりひこのみこと)に成敗されます。
この時、温羅が人々から呼ばれていた吉備冠者の名を彦五十狭芹彦命に献上し、以降彦五十狭芹彦命は吉備津彦命と呼ばれるようになります。
温羅は首をはねられますが大声でうなり続けたので、犬に喰わせて骨にされました。骨になってもうなり続ける温羅。
ついには御釜殿の御釜の下に埋められますが、13年間うなり声はやむことがなく、吉備津彦命を悩ませたようです。
ある夜、温羅が吉備津彦命の夢枕に立ち、こういいます。
「わが妻、阿曾媛に釜殿の神饌を炊かしめよ。もしこの世に事あれば竈の前に参り給え、幸あれば豊かに鳴り、禍あれば荒々しく鳴ろう。」
命が言われた通りにすると、温羅のうなり声はやんだそうです。
これが鳴釜神事の起こりとされています。

鳴釜神事の御釜の音は温羅の声、、、

通常のご祈祷が終わった後、御釜殿に移動しました。
御釜殿の中、目に入る色は黒です。御釜から上がる湯気で室温が高く、独特の雰囲気がありました。
神事が始まるのを待つ間、阿曽女(あぞめ)と呼ばれる女性が神事の説明をして下さいました。
御釜の音が聞こえれば吉、聞こえなければ凶、また音の大小長短によって、私自身が吉凶を判断する形です。
この辺がよく聞こえるんですよ、と座る場所を教えてくれました。

神官が入ってきました。神事が始まります。

御釜の音、温羅の声、聞こえるのだろうか。

少し心配になってきました。

吉備の中山と温羅④へ続く。

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