江島神社 奉安殿  新しい旅⑬

奉安殿は辺津宮境内にある八角形のお堂です。神社境内にあるにも関わらず、雰囲気は神社と一線を画しています。
八臂弁財天(はっぴべんざいてん)と妙音弁財天が安置され、日本三大弁財天のひとつと言われているそうです。あとの2つは竹生島と厳島神社。どちらも旅の予定に入っています。
入口手前でお神酒とすごくかわいいつるんとした小さな白い蛇の置物が売られていました。白い蛇は連れて帰るものではなく、お願いと名前を記入し納めるものでした。
お堂の中に歩を進めます。
入ってみると先ほどの小さな白い蛇がたくさん納められていました。こんなにたくさんの人がお参りしているのか、と圧倒されます。
先に入られた方がお参りされていたので、手前にあった収蔵品を見ていました。蛇に関するものが多く、なんだか生きているようでいちいち圧倒されます。
その頃には「水」で困っていたことを忘れていました。
順番が回ってきました。八臂弁財天様と妙音弁財天様の正面に立って手を合わせます。
眼を閉じて手を合わせたとたん、目の前は水でした。
びっくりして目を開けました。
「水って、これ?」
落ち着いてもう一度目を閉じます。
弁天様と私の間に水、お堂全体に水。弁天様に向かって右から左の方へ水が流れています。
「弁天様、やっと身体を持ってお参りすることができました。ありがとうございます。」
流れる水のエネルギーに何かを持って行かれそうになりながら、この言葉を言うのが精一杯でした。
次のお参りの方がみえていたので、一旦お堂の外に出ることにしました。
怖いという感覚はなく、もう一度、水を確かめたいと思いました。
「なんか、目の前、水が、ばーってなってて、水って見えない世界の水だったみたい。」
探していた水が見つかった安堵と興奮で言葉を使って友人に説明するのがもどかしく感じられました。

そうだ!入口にあったお神酒をお供えしよう。入口に戻り、蓋つきの小さな徳利に用意されたお神酒を購入しました。
もう一度お堂に入ります。
お神酒をお供えし、参拝者がいない瞬間があったのでなんとなくお堂の真ん中に立ってみました。
お堂は八角形で、床石が八角形になっているところがあり、お堂の中央はすぐに分かります。
そこではエネルギーが下から突き上げるように動いていて、気分が悪くなるほどでした。ジェットコースターに近い感覚。
弁天様とまともにお話しすることができず、参拝者がいらしたので、もう一度お堂に外に出ました。
お堂を出た所で友人と話をしました。
「あの真ん中の所、すごかったですね。」
「ほんとに。弁天様がおっしゃっていた水の謎が解けたし、よかった。もうこれでいいかな。すごいエネルギーだったから、ホントはお神酒を下げて頂くことができたらよかったな。」
そこまで話して気が付きました。
「あ、私、水持ってる!」
江の島に入る前、コンビニで仕方なく購入した水のペットボトルが封を切っていない状態でバックの中に入れっぱなしになっていました。
お水をお供えできるではないか。思わず友人と顔を見合わせ、意気揚々と奉安殿の入り口に戻ったのでした。

新しい旅⑭へ続く。

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