三輪山④ 2019年リアルRPGを振り返る

申し込み後、三輪山の登拝にあたっての注意点が説明がありました。
印象的だったのは「登山」ではなく「登拝」なので、普通の山でするような人とすれ違いざまに挨拶はしない、挨拶するなら会釈で、という点でした。
なるほど。三輪山に足を踏み入れることそのものが祈りだと考えると分かりやすく、挨拶やおしゃべりは場違いというのが分かります。

お山の入り口に大麻(おおぬさ)が置いてあります。神主さんが持っているパサパサっとするあれです。1人だったので自分で自分をパサパサ、お祓いをし、いざ出発です。

まずは登拝口からの急こう配。
これがずっと続くなんて無理かも、と思う頃に、目の前が開け、しばらくはなだらかな山道になります。ほっとして気持ちよく緑の中を歩いて行った記憶があります。
そこを過ぎるとまた急な道に入って行きます。

どんどん進んでいくと、ちょうど滝行をしている方がいました。
滝行の着替えをするところに椅子があったので休ませてもらいました。
大祓の祝詞を唱えながら、滝行をされていたのでそれをぼーっと聞いていると、ショートカットの女性が通り過ぎて行きました。
思わず二度見してしまいました。その方は一切荷物を持たず、デニムのひざ下まである長めのスカートを履いていたのです。

えええ、スカート? 水も持ってない。どういうことだろう?

両脇からスカートの生地を前に持って来て大腿部で重ね、両手を添え押さえてスカートを少し持ち上げる形で歩いていました。しかもかなりのスピードで。
とても気になって、その女性の後を追うような形で山道に戻りました。
女性は私より年上に見えました。慣れているようで迷いなく、どんどん登っていきます。置いて行かれないように必死でついていきました。
女性は途中大きな木や岩に挨拶をしたり、そういうときは時間をとっています。
あの時、どうしてあの女性の後をついていったのか。
スピードがあったので、この人についていけば早く登れると計算したのは確かです。
あとはスカートで登っていることが衝撃的で思わずついてきてしまったというか、とにかく必死でついていきました。

そうこうするうちに高宮(こうのみや)神社まで来ました。ここまでくると山頂の奥津磐座(おきついわくら)はもうすぐです。
高宮神社ではお参りする人が何人か並んでいました。一番後ろに並びます。

あれ?あの人はお参りしないのかな?

スカートの女性は高宮神社を素通りしてすーっと先に行ってしまいました。
山頂が近かったこともあり、女性の後を追いかけるのを諦めて高宮神社にお参りしました。
お参りしてはみたものの、返事がないというか、もしやからっぽ?

もやっとしながら歩いて行きます
開けた場所に着きました。どうやら山頂のようです。
10人以上の人が小さなお社にお参りしたり、ちょっと腰をおろして日の光を浴びたりしていました。

あら、思ったより人数がいたのね。

小さなお社の前はやっぱり数人並んでいたので、また一番後ろに並びます。
お参りしてみました。
手を合わせ眼を閉じた瞬間、違和感を感じました。

ここは違う。

つづく。

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